【後編】砕氷艦「しらせ5003」号さん横須賀に戻られた日   

2010年 04月 16日
只今、横浜は雨ではなく、「霙(みぞれ)」が降り始めました。雪に変わるかもしれません。今日は4月16日ですよ!春真っ盛りの筈ですよ!?ですが、今回の投稿には相応しいかもしれません。砕氷艦「しらせ5003」号さん、5ヶ月ぶりに南極より横須賀に戻られた日の記録【後編】です。『本館』では、久しぶりの連続大作投稿です。
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今回の画像は、ほぼ全てが『YOKOSUKA軍港めぐり』のSea friend V号さんより記録されました。改めて思ったのですが、『YOKOSUKA軍港めぐり』はスゴい。スゴい「クルーズ」です。『YOKOSUKA軍港めぐり』出航から3分。いよいよ砕氷艦「しらせ5003」号さん、横須賀入港です。
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この臨場感。圧巻ですね。横須賀本港入口「赤よこすか8」すれすれのところを入って来られます。『YOKOSUKA軍港めぐり』に乗船していなければ、これほど近い距離でお出迎えする事は出来ません。
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お手伝いをなさっているのは、東京汽船株式会社さん(で宜しいでしょうか)の薩摩丸さん、志摩丸さん。右手の「薩摩丸」さんの船首に紅白おめでたい幕が掲げられていると思っていました。
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少し、カメラ引いて。出来る限り「全景」を。横須賀消磁所と砕氷艦「しらせ5003」さん。
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幾度も云いますが、この距離です。「しらせさんが横須賀に戻って来られた…しらせさんが…」。感激胸いっぱい。実は、この時、『YOKOSUKA軍港めぐり』のSea friend V号さん2Fデッキには、自分ただ独り(雨がかなり降っていましたので)。雨のデッキで、独り感動。
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「しらせ5003」号さん、米海軍さん空母「ジョージ・ワシントン」さん前を通過。レンズが雨で曇っていますが、滅多に見られぬ光景です。「ジョージ・ワシントン」さん、常に横須賀にいらっしゃる訳ではありませんので。
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真横を通過されました。この時、はッ…と気付いた事がありました。それは、「傷」です。一直線に刻まれた「傷」。海面付近の「灰色」の部分、これは傷です。ひどくお怪我をなさっています。「しらせ」さんは、海上自衛隊さんご所属の「砕氷艦」です。海上自衛隊さんの艦艇船は、常にきちんと整備され、ぴかぴかなのです。「しらせ5003」号さんは、昨年5月25日に就役されたばかりの新しい「砕氷艦」です。
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昨年(2009年)5月25日、吉倉桟橋にご到着されたばかりの「しらせ5003」号さん。吉倉桟橋には記念式典にご出席の方々のお姿。ご覧下さい。勿論、傷一つありません。「灰色」の傷など、どこにも。遠く南極に向かわれるまでも恐ろしく高い波(艦橋部分まで届くそうです)、そして、分厚い氷と対峙された事を物語る「傷」です。吉倉桟橋には、先代…先輩砕氷艦「しらせ5002」号さんのお姿も少しだけ見えますね。この頃は、「5002」号さんと「5003」号さんが並ばれていました。
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「しらせ5003」号さん、静かに新「逸見岸壁」へ向かわれます。真新しい「逸見岸壁」は、つい先日、完成したばかりです。吉倉桟橋では、シンガポールよりお越しのステルスなフリゲート艦「ストルワート」さん、3月18日にソマリア沖・アデン湾における派遣海賊対処行動より戻られた護衛艦「たかなみ」さんがお待ちです。それでは、『YOKOSUKA軍港めぐり』のSea friend V号さんは吾妻島前・長浦港を巡ります。約20分間、「しらせ5003」号さんのお姿が見えなくなります。
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吾妻島前、前便では海上自衛隊さんが世界に誇る「水中処分員=海の爆発物処理班」の皆様が「しらせ5003」号さんをお出迎えされるかのように「大集結」されていましたが、既に「しらせ5003」号さんも横須賀本港に入られました。「水中処分員」の皆様も通常の訓練に入られていました。殆どの方々が海中にいらっしゃるようですね。こちらは、掃海隊群司令部「水中処分班」の皆様(この付近の海中に大勢いらっしゃる筈ですので、「皆様」)。
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こちらは、第41掃海隊EOD=水中処分員TEAM・第51掃海隊EOD=水中処分員TEAM・掃海隊群司令部水中処分班・横須賀警備隊横須賀水中処分隊の皆様(勿論、海中に多くの方々)。右手、戻ってゆかれるのは、潜水医学実験隊の皆様。掃海隊・横須賀水中処分隊の皆様は「水中処分員」さん。潜水医学実験隊の皆様は「潜水員」の皆様。ご所属・任務は少しずつ異なりますが、皆様「潜水のプロフェッショナルもプロフェッショナル」。寒い日も暑い日も雨の日も雪の日も、このように黙々と訓練なさっています。「漆黒のスペシャリスト」の皆様の見学は約8分間。その後、長浦港から新井掘割水路水路を抜け、再び横須賀本港へ戻ります。
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「しらせ5003」号さん、完成したばかりの「逸見岸壁」に間もなく接岸ですね。「72」は、シンガポールよりお越しの「ストルワート」さん。
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やはり、真横から「しらせ5003」号さんを拝見すると…傷が…
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ざくざくと分厚い氷で削られた事が判ります。痛々しい…ですが、「しらせ5003」号さん、「何のこれしき」と云った風情です。
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昨年5月25日のぴかぴかの「しらせ5003」号さんと『YOKOSUKA軍港めぐり』のSea friend I号さん。1日も早く、この「元のお姿」に戻られますように。
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その時でした。「!!!」。雨が降っていましたので、1F客室内に避難していたのですが、ヘリコプターさんの音に気付き、2Fデッキに駆け上がりました(危険ですので、駆け上がってはいけません。船内走るのもダメです)。哨戒ヘリコプターSH-60K14号さんです。慌てました…
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濛々と海水が湧き上がります。ヴェルニー記念館のすぐ目の前です。
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SH-60K14号さん、逸見へリポートにご到着です。館山よりお越しになられたのでしょうか。式典にご出席されるようですね…護衛艦「あまつかぜ」さんの金色のスクリューが見えていますね。横須賀地方総監部さん入口に飾られています。
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SH-60K14号さん、あっと云う間に「離陸」です。実に「横須賀的」ですよ…本町山中道路高架とSH-60K14号さん。こちらの逸見へリポート完成は、私たちの災害時の「安心」でもあります。中国では大きな地震が起き、日本では記録的な低温…これぞまさに「異常気象」です。アイスランドでは火山の大規模な噴火が起き、欧州の空が大混乱です。立派な逸見岸壁とヘリポートを見て、やはり、ずっと横須賀に居たいと思いました。海辺ですが、ここにいれば「何があっても大丈夫」と思えるのです。
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大迫力。SH-60K14号さん、『YOKOSUKA軍港めぐり』のSea friend V号さんの間近を通過されます。
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間近と云うより、ほぼ頭上でした。真上です。大変な臨場感。
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お出迎えの式典の行われる逸見岸壁に「旗」が見えました。「海上自衛隊OB 横須賀曹友会」、「横須賀水交会」、「湘南(で宜しいでしょうか…)水交会」と書かれています。
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雨のお出迎えとなってしまいましたが…しかしながら、逸見岸壁は晴れやかで華やかです。
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式典にご出席の皆様。最も右手のテントにいらっしゃる横須賀音楽隊の皆様の素敵な演奏が聴こえて参りました。
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『YOKOSUKA軍港めぐり』のSea friend V号さん、「運航時刻」が決まっておりますので、名残を惜しみつつ、汐入桟橋へ戻ります。

砕氷艦「しらせ5003」号さん、昨年11月10日に晴海埠頭を51次南極観測隊の皆様と共に昭和基地を目指しご出発になられました。「初航海」へ。氷が分厚かった事もあり、2週間遅れの1月11日に到着されたそうです。2月3日に南極をご出発され、先に晴海埠頭へ戻られ、4月15日に横須賀へ「帰って」来られました。約5ヶ月の遠路長旅でありました。「お帰りなさいませ、しらせ5003号さん」。大変お疲れさまでした…。
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カメラが大変な事になっていたので(雨ずぶぬれ)、ダイエーさん内で復旧作業をしていたのですが…思ったよりも時間がかかり、再び逸見へリポートに飛来されたSH-60K14号さん離陸、ぎりぎりでした。式典も終了したようですね…
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「しらせ5003」号さん前(後ろですね)を通過され…
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海上自衛隊さん館山航空基地へ戻られるのでしょうか…これにて、4月15日の記録は終了です。久しぶりの大作となりましたね!「しらせ5003」号さん、一般公開が行われると良いのですが…夏には総合訓練の為、各地に寄港されるようですよ。8月29日に横須賀をご出発、大湊、稚内、秋田港、舞鶴港、博多港、恵美須湾、呉港…と32日間。あと4ヶ月。きっと、あっと云う間にやって来る事でしょう。

by brristol | 2010-04-16 22:58 | 海上自衛隊へ行こう