【前編】平成21年「第30回八都県市合同防災訓練」   

2009年 09月 01日
月が変わり、9月1日。今日は「防災の日」です。昨年に続き、今年も「八都県市合同防災訓練」に行って参りました。昨年は横須賀新港埠頭にて大規模に行われた「神奈川県会場」へ。今年も「神奈川県」ではありますが、会場となった酒匂川スポーツ広場ではなく、神奈川県小田原市の江之浦漁港へ。この小さな漁港を訪れるのは、実に約30年ぶりです。「初めての場所」ではなかったのです。着いた途端、目に入った光景は…
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「こっ…ここは…機雷桟橋??」。機雷桟橋、横須賀水中処分隊さん、水中処分員さん、潜水隊の皆様のお背中に観えていた「クウキ」が、これほど大量に。
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「…機雷桟橋…にしては、雑然としている…」。当然です。ここは横須賀ではありません。小田原市の小さな小さな漁港です(「雑然」とは失礼かもしれませんが、多分何気なく置かれたものでしょう。台風来ていますし)。でも…
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「SCUBA PRO…」。約30年の間に、どうやら江之浦は、だいびんぐすぽっとに様変わりしていたようです。それにしても…そう云えば、江之浦漁港へは東海道線「根府川」駅からタクシーでないと行かれないのですが(自家用車がないので)、タクシーを降りようとした時、間近で鈴のような音が聴こえました。「ちりり…ちりり…」。不思議に思って、辺りを見回しましたが、風鈴がある訳でもなく。何が鳴っている??「ちりり…ちりり…」。再び。「あ!?」。ピンバッジです。帽子に付けている、横須賀水中処分隊・杉山隊長に戴いた、掃海隊群の機雷のピンバッヂが鳴っていたのです。この日は、両脇に「ひゅうが」さんと「きりしま」さんのピンバッジ。僅かに擦り合って、鈴のような音がしていたのです。とても不思議でした。目の前には、「ダイバー」装備がそこかしこに。でも、誰もいないのです。誰も。僅かに釣り客が居るばかり。
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洋上には、青白の旗。ここは吾妻島前??違います。でも、とても不思議と云うか…奇妙な感覚でした。約30年ぶりに訪れた場所は、「横須賀」だったのです。では、ここならでは?の「第30回八都県市合同防災訓練」の約2時間を前後編に分けて投稿しましょう。想定地震は「神奈川県西部地震」。つい先日、この辺りは大きな地震に見舞われたばかりです。
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走る東海道線内から。早川駅を過ぎたあたりでしょうか。遥か遠くに今回の八都県市合同防災訓練に海上自衛隊さんから参加される多用途支援艦「えんしゅう」さんが観えました。まだ随分と遠くにおられますね。間もなく、根府川へ着きます。「孤立地域対策訓練」の「会場」となる江之浦漁港は今回電車内からは撮れません(根府川駅を通り過ぎてからになる)ので、昨年3月に撮った写真を。
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この時、この小さな漁港が江之浦とは思っていませんでした。たまたま観えたので、撮っただけ。約30年ほど訪れていないのですから。これも不思議な事でしたが。
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大量の「クウキ」と「えんしゅう」さん。機雷桟橋から観ているような勝手な錯覚。「えんしゅう」さんの側に小さく2つの「船」が観えました。内火艇さんでしょうか。海は台風11号が近づきつつあり、荒れています。
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この日は、雨風なので300のレンズ1本勝負です。次第に「えんしゅう」さんが大きく観えて来ましたよ…こちらは内火艇さんではないですね。オレンジ色の梯子??のようなものが観えます。
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こちらは内火艇さんです。青白の旗の地点まで。海は荒れています。
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あ…『YOKOSUKA軍港めぐり』で、不思議に思っていたマシンは大きめのゴムボートさんだったのですね。随分と大きな梯子です。
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まだ、防波堤の外側です。幾度も幾度も大きな波しぶきが上がります。この日は美しいとは思えず、恐ろしかったです。
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こちらの大きめのゴムボートさんも江之浦漁港を目指し、波にもまれながら近づいて来られます。思い出したのは…横須賀水中処分隊の皆様が行方不明船舶の捜索の為、今年の3月に伊豆大島沖に向かわれた時の事です。ここから近いのです。

「当日は、天気が良かったものの風浪があり、救命筏の曳航は至難でした。」
『gvein(別館)』に戴いたコメントより転載)
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「えんしゅう」さんの内火艇さん、江之浦漁港に到着されましたが、寄せる波がざぶんざぶんです。内火艇さん、上下に大きく揺れ続けます。今回、「えんしゅう」さんが担当されたのは、「神奈川県西部の地域特性を考慮し、津波対策訓練、孤立地域対策訓練」の「孤立地域対策訓練」。江之浦は小さな漁港で、背後には山が迫っています。大規模な地震が発生すれば、目の前は海、背後は山。道路は国道135号のみ。国道とは云え、山間を走る細い道です。国道が寸断されれば、逃げる「道」は、海と空しかありません。
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内火艇さんから運ばれて来た橙色の大きな袋たち。救命胴衣などが入っているようです。こうして観ると、今回の訓練に参加されている人も少ないのですが、もともと江之浦周辺には、人家は多くありません。だからこそ「孤立」。この中に…親戚が写っていると思うのですが、何せ30年も逢っていないので、判りません…班長さんだったようですが…約30年前に、この江之浦漁港を訪れていたのは、親戚の店があったからです(勿論、現在もあります)。近年、テレビで紹介され、「知る人ぞ知る人気店」になったようですが、「えんしゅう」さんが来て下さったのは、自分と全く無縁の漁港ではなかったのです。ここで泳いだ事もあるのです。
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続々、「避難住民」の方々が「えんしゅう」さんの内火艇さんと大きめのゴムボートさんに乗り込まれます。でも、ここに至るまでも大変でした。台風11号が関東に近づきつつあり、海が荒れています。でも、実際に災害が起きる時、その日も台風かもしれません。
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まず、ゴムボートさんの方から「えんしゅう」さんへ向かわれるようです。そして、江之浦漁港から小田原漁港へ「避難」します。
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この頃には、雨風強まり、視界は悪く、防波堤の外側は茫漠とした、ただただ荒れる海。
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内火艇さんにも「避難住民」の方々が乗られました。橙色の袋と共に、「えんしゅう」さんへ向かわれます。
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この場面では、やや穏やかに観えますが、防波堤の内側であっても、大きな波が打ち寄せていました。
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いよいよ視界は、ここまで効かなくなっていました。雨の粒は大きくないとは云え、風が強く、写真を撮るのもやっとです。全身ずぶ濡れ。寒い。冷たい。でも、訓練に参加された皆様同じ。

では、前編はここで投稿します。横須賀と江之浦が重なり、また、多用途支援艦「えんしゅう」さんと水中処分母船YDT03号さんが頻繁に重なる見学となりました。横須賀では、「えんしゅう」さんと水中処分母船YDT03号さんは、いつもお近くにいらっしゃるので。

by brristol | 2009-09-01 05:44 | 海上自衛隊へ行こう